第39回日本神経科学大会

日時
2016年7月20日(水)~22日(金)
会場
パシフィコ横浜
大会長
入來 篤史(理化学研究所脳科学総合研究センター)

市民公開講座

講演映像

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日程

2016年8月6日(土)
14:00-16:00 (開場13:30)

会場

日本科学未来館 7F 未来館ホール

東京都江東区青海2-3-6
URL:http://www.miraikan.jst.go.jp/guide/route/

【電車】
●新交通ゆりかもめ 
「船の科学館駅」下車、徒歩約5分
「テレコムセンター駅」下車、徒歩約4分
●東京臨海高速鉄道りんかい線 
「東京テレポート駅」下車、徒歩約15分

定員

300名 大学生・高校生 歓迎

参加費

無料 (入館料不要, 事前参加申込不要)

演者情報

脳発生の掟:「礼の用は和を貴しと為す」

見学美根子(けんがくみねこ)

見学美根子(けんがくみねこ)
京都大学 物質-細胞統合システム拠点 教授

神奈川県生まれ。東京大学にて博士号取得。専門は神経発生学。ハーバードメディカルスクール研究員、京都大学理学部講師、理化学研究所 脳科学総合研究センターチームリーダーなどを経て、2012年より現職。脳神経回路の形成過程を追っている。

要旨:
演題は論語の一節で、孔子の弟子のひとり有子の言葉です。「人間社会で調和はとても重要であるが、調和に節度を与えるために礼(規律・礼儀)がある」という意味です。 脳という小さな空間で膨大な情報処理を行う神経回路を形成するためには、860億個と概算されるニューロン各々が緻密な神経突起を正確に配線し、正しい相手の突起と結合する必要があります。しかし複雑で多様な神経突起のパターンを正確に規定するには、ヒトを含む動物のゲノムに存在する遺伝子の数では全く足りません。ではニューロンは、神経回路のもつ究極の調和を、少ない礼(遺伝子情報)を用いてどのように実現するのでしょうか。ここでは、複雑な突起に縁取られたニューロンの美しいかたちがもつ意味を知っていただき、それが形作られていく過程で見られる脳特有の戦略についてご紹介します。

講演映像:

人工意識のみらい:機械は心をもてるのか?

金井良太(かないりょうた)

金井良太(かないりょうた)
アラヤ・ブレイン・イメージング 代表取締役

1977年東京都生まれ。2005年、オランダ・ユトレヒト大学にてPhD 取得。専門は意識学。
カリフォルニア工科大学、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンにて脳と意識の研究を行う。その後、英国サセックス大学准教授を経て、 2015年より脳情報科学ベンチャーの立ち上げに従事。次世代の意識をもった人工知能構築を行っている。2015年に文部科学大臣表彰若手科学者賞。

要旨:
脳の多層的な情報処理機構を取り入れたディープニューラルネットは、ビッグデータの蓄積と普及に伴って、人工知能研究に革命をもたらしています。しかし、意味の理解や自発的行動といった生物が持つ自然な知能を実現するには依然として程遠いのが現状です。私は、意識と脳に関する理論的研究を援用することで、人工システムに主観的感覚や意志を実装し、実生活環境での多様なデータの処理に活用することを目指しています。

講演映像:

分子のふるまいから読み解く、脳のしくみ

坂内博子(ばんないひろこ)

坂内博子(ばんないひろこ)
JSTさきがけ 専任研究員

山口県生まれ。東京大学大学院で博士号取得。専門は生物物理学。理化学研究所BSI研究員、パリ高等師範学校研究員、JSPS特別研究員、理研基礎科学特 別研究員、名古屋大学特任講師などを経て、2016年より現職。2008年日本生物物理学会奨励賞、2013年日本神経科学学会奨励賞。

要旨:
体重の2%を占める脳は、感覚、思考、運動を司り、記憶・学習を担う、人間活動の基盤ともいえる器官です。膨大な情報処理を行う脳は、よくコンピュータに例えられます。しかし、出荷されてからずっと同じ部品で働くコンピュータに対し、脳を作っている脂質やタンパク質は有機物で、金属のように長い間同じ性質を保つことができません。部品が一生を通じて常に入れ替わっているという点で、脳とコンピュータは大きく異なります。 常に部品が入れ替わっているなかで、どのように脳という構造が保たれ、記憶・学習・思考といった高次の機能を果たすことができるのか?ここでは、1個1個の分子の動きを「見る」ことで、その秘密に迫る脳研究をご紹介します。えっ?分子1個なんて見えるの!?はい、見えるんです!

講演映像:

神経回路から記憶のしくみを理解する

北村貴司(きたむらたかし)

北村貴司(きたむらたかし)
マサチューセッツ工科大学 上級研究員

1979年大阪府生まれ。2007年、九州大学大学院で博士号取得。専門は脳神経科学。三菱化学生命科学研究所特別研究員、富山大学大学院医学薬学研究部助教、理化学研究所研究員、マサチューセッツ工科大学研究員などを経て、2015年4月より現職。2015年に「アイランドセルの発見」で、Infinite Kilometer Award (米国)を受賞した。

要旨:
私の研究目標は、学習と記憶の源となる脳のメカニズムを解読することにあります。私たちは、日々、さまざまな出来事に次々と遭遇し、それらの出来事を区別して脳の中で記憶しています。例えば、朝ごはんを食べる、野球などのスポーツを楽しむ、周りの人々と会話をするというような出来事を覚えることは、私たちの毎日の生活の営みになくてはならないものです。しかし、どのようにして、私たちの脳は、学校での友達とのおしゃべりや、スポーツクラブでのテニスの練習などの出来事を、別々のエピソードとして記憶として保存することを可能としているのでしょうか?ここでは、脳の中の神経回路の地図やそれぞれの種類に分けた神経細胞の動作を正確に理解することによって「脳を記憶装置の機械」として考えて、この記憶形成のメカニズムの謎に迫ります。少しでも多くの方に神経科学に興味を持っていただけたら嬉しいです。

講演映像:

シャーレの中の病気モデル

井上治久(いのうえはるひさ)

井上治久(いのうえはるひさ)
京都大学 iPS細胞研究所 教授

1967年京都府生まれ。2000年、京都大学大学院にて博士号取得。専門は幹細胞医学。住友病院神経内科勤務、国立精神・神経研究センター研究員、理化学研究所脳科学総合研究センター研究員、米ハーバード大学医学部マクリーン病院博士研究員、京大大学院医学研究科助手、京都大学iPS細胞研究所准教授などを経て、2014年より現職。"From bedside to dish" and "from dish to bedside"が研究テーマ。

要旨:
体のあらゆる細胞になり得る幹細胞を病気の患者さんから作ることができるようになった時、これまでになかった新たな研究が誕生しました。患者iPS細胞から、病気になる細胞を作り出し、病気をシャーレの中で再現する。病気の細胞でおこることを、病気のはじめからシャーレの中で観察し、見極め、治療薬を探すことができる可能性が生まれました。
では、この新たな方法論は、100年以上前にみいだされていながら、未だ根本的治療薬のない、これまでの方法では全く歯が立たなかった難病といわれる病気にも有効でしょうか。もし、有効だとしたら、どこまで進んでいるのでしょうか。
ここでは、そんな病気モデルの研究についてお話をさせていただきます。

参考文献:
iPS cells: a game changer for future medicine.
The EMBO Journal 33(5):409-417, 2014.

講演映像:

主催

日本神経科学学会(神経科学教育委員会)

助成

科学研究費(研究成果公開促進費)助成事業
※この事業はJSPS科研費16HP0039の助成を受けたものです。

協賛

カクタス・コミュニケーションズ;
宮崎 敦子(Dr. DJ ATSUKO); Master Mind Production, Inc.;
文部科学省 共同利用・共同研究拠点「脳関連遺伝子機能の網羅的解析拠点」

協賛